Authors : |
川島康生, 森護, 藤田毅, 宮本巍, 堀口幸夫, 内藤泰顕, 野村望, 森透, 堀口泰範, 曲直部寿夫 |
Abstract : |
「はじめに」最近の進歩した心臓外科の手術手技をもつてしても, 単心室は, 根治手術に対しなお多くの問題が残されている疾患である. われわれは最近, Van Praaghの分類1)におけるI-C-Solitus型の単心室の患者に対し, 心室中隔形成術を行ない, 根治手術に成功したので報告する. 〈症例〉患者 E.M.8才, 女子. 主訴 チアノーゼ. 運動制限. 家族歴, 既往歴に特記すべきことはない. 現病歴 生後100日目頃に心疾患を指摘されたが, 当時, すでにチアノーゼがあることに気付かれていた. 3才頃までしばしば, 感冒に罹患したが, それ以後は, 運動制限があるものの, その他特記すべきことはなかつた. 当院受診時には, 100m程度の歩行, 7~8段の階段上昇にて蹲踞をきたす状態となつていた. 昭和45年3月9日入院した. 入院時所見. 体格, 栄養はほぼ普通. 脈搏は整(110/分). 口唇, 爪床などにチアノーゼが強く, 太鼓バチ指があった. |