アブストラクト(19巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 悪性縦隔腫瘍の治療について
Subtitle : 綜説
Authors : 久保克行, 並河尚二
Authors(kana) :
Organization : 三重県立大学胸部外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 19
Number : 2
Page : 77-88
Year/Month : 1971 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「1. 緒言」 縦隔腫瘍とは縦隔内に生ずるすべての腫瘍を意味するが, 食道, 気管, 心や大血管などから生じた腫瘍はそれぞれの器官名で呼ばれており, 縦隔腫瘍に含めないのが普通であり, 反対に縦隔外組織から生じた腫瘍(たとえば神経原性腫瘍など)を含める場合もある. 縦隔腫瘍には, またリンパ系腫瘍の様に全身的疾患の部分現象として縦隔内へ腫瘤を作った場合や, 他の部位の悪性腫瘍で縦隔内転移巣が主所見となっている場合にも呼ばれることがある. 腫瘍とは一般には新生物を意味するが縦隔腫瘍の場合, 迷入腫, 炎症性腫瘤や縦隔内臓器を圧迫する腫瘤をも含めている. 縦隔腫瘍は比較的まれな疾患と考えられ, 他臓器腫瘍に比し, その研究の歴史も浅いが, 最近の麻酔学の進歩や抗生物質の発見などにより縦隔へのアプローチも容易になり, 報告された手術例数も漸次増加している. 殆んどあらゆる種類の腫瘍報告例が見られるが, 葛西2)13)らによると奇形腫, 胸腺腫, 神経性腫瘍, 先天性嚢腫, リンパ系腫瘍, 脈管腫, その他の間葉性腫瘍, 炎症性腫瘤などに分けられている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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