アブストラクト(19巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈瘤に関する研究 II. 新しい胸部大動脈血行遮断法としての常温下心細動法の基礎と臨床について
Subtitle : 原著
Authors : 阿部博幸*,**, 和田寿郎*, 渡辺左武郎**
Authors(kana) :
Organization : *札幌医科大学胸部外科学教室, **札幌医科大学第1解剖学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 19
Number : 3
Page : 184-211
Year/Month : 1971 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第I章 緒言」 血管外科領域の著しい発達のなかで, 大動脈瘤, とくに胸部大動脈瘤の外科治療には, なお解決すべき多くの問題点が残されている. 胸部大動脈瘤の手術は, 多くの場合血行遮断を必要とし, 遮断の部位と時間によつては, 脳, 脊髄, 心ならびに腎などに乏血に基づく障害を惹起し, その予後は大きな影響をうける. 現在その血行遮断法および補助手段として, 低体温法, 一時的バイパス法, 左心バイパス法, 脊髄液吸引法, 体外循環法などが一般に行なわれている. 1965年, 和田1)2)は従来, 直視下心内手術において, その臨床的有用性を自験し, また教室において, その基礎的研究を重ねた電気的誘発心細動法を, 胸部大動脈瘤の外科における, まつたく新しい常温下の大動脈血行遮断法として提唱した. その成功第1例として根治のきわめてむずかしい破裂性下行大動脈瘤を, 血行遮断5分で側壁縫合術により全治せしめ得たことを報告した. しかし本法は, 最もanoxiaの影響をうけやすい脳の血行停止許容時間に左右されるため, 常温下における大動脈血流遮断法としては, 時間的制約がある. 著者は, この時間的制約の安全な延長手段すなわち, 心細動許容時間延長法として後章で述べる心細動繰返し法, 心マッサージ併用法を創案した3). 本論文においては, その実験的研究知見と, その結果に基づき, これと併行して行なわれ, 得られた臨床成果について報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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