アブストラクト(19巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 発生部位別にみた肺癌の増殖様式 第II篇 血管侵襲について
Subtitle : 原著
Authors : 鎗田努, 香月秀雄, 林豊
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部肺癌研究施設
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 19
Number : 7
Page : 572-578
Year/Month : 1971 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒言」肺癌症例の長期生存をはばむものとして, その血行転移の重要性は諸家の指摘するところであり5)11), Hinson8)はfrustrating experienceとさえ述べている. 他臓器癌に比し, 血行転移をおこし容い肺癌はWaltherの言う肺型転移経路, すなわち左心を中心とした遠心性血行転移経路をとる特徴があり, 転移臓器に関しても, 剖検を中心に報告が数多く認められる17)24)37)38). 悪性腫瘍の転移形成が, 1)Einbruch, 2)Ausbreitung, 3)Ansiedlung und Proliferationの3つの機序で成立し, 血行転移形成に癌腫の血管内への侵入が必要であることはKruger20)らの指摘をまつまでもない. Siegert(1893)35), Goldmam(1897)34)らが肺癌の血管侵襲, とくに転移形成における肺静脈侵襲の重要性をのべて以来, 血管侵襲と血行転移の相関について検索がかさねられてきている. 著者は本論文第I篇にて中枢気管支発生の肺癌と末梢発生肺癌とでは種々の点で異なつた特徴をもち, 発生部位の違いにより, 肺癌を一律にとりあつかうべきではないことを強調したが, 血管侵襲および血行転移形成に関し, 発生部位の相違により違いがあるのか, 血管侵襲と血行転移形成との相関, 血管侵襲が予後判定の指標となり得るかなどを検討するべく以下の検索を行なつた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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