アブストラクト(19巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 自発気胸の治療方針の再検討
Subtitle : 綜説
Authors : 山本博昭, 畠中陸郎, 寺松孝
Authors(kana) :
Organization : 京都大学結核胸部疾患研究所 胸部外科学部
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 19
Number : 12
Page : 1131-1137
Year/Month : 1971 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「はじめに」いわゆる自発気胸は, 古くHippocratesの時代から記載されているもので1), その成因や, 病態生理学的な面から, あるいはその治療法についても無数の報告がみられる2)~14). 本症の成因に関しては, 従来は結核説が主役を占めていたが, 1932年Kjaergaad15)は本症が主として非結核性の空胞, あるいはブレブの破裂によることを強調し, 今日ではほぼこれが認められている. 事実, 最近の諸家の報告でも, 気腫性嚢胞に続発したものが多くみられており, 肺結核に関連したものは結核療養所などの特殊な施設においてさえ1.4~16%に過ぎないとされている16)17). 一方, 本症の原因の主たるものである限局性気腫性嚢胞の成立は, 細気管支の炎症, そしてそれに伴うcheck-valve mechanismの形成が大いに関係しており, この意味で, 現今問題となっている大気汚染の増大に伴って今後は本症の発生が増大するのではないかと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ