アブストラクト(19巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸部手術後の合併症-ストレス潰瘍-
Subtitle : 原著
Authors : 山口貞夫, 中田精三, 門脇照雄, 安光勉, 岡本英三, 正岡昭, 曲直部寿夫
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 19
Number : 12
Page : 1206-1217
Year/Month : 1971 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒言」関連諸科学分野の急速な進歩に伴い, 外科学の領域も益々拡大深化しつつあるが, 一方においては外科手術に伴う術後合併症も深刻なものとなりつつある. かかる合併症の中で, 最近増加の傾向を見せ, 将来さらに増加することの予想されるものの1つとして, 大手術の後に発生する上部消化管の急性潰瘍を挙げることができる. 本合併症は古くから知られているCurling's ulcer1)として火傷と, Cushing's ulcer2)として重篤な脳外傷と合併する急性潰瘍と同一の範疇に属するところの, いわゆるストレス潰瘍と理解されている. だが, その発生機構は未だ解明されておらず, したがって概念も明確ではない. ストレス潰瘍は止血困難な大量出血または穿孔を主症状とすることが多く, 一旦発生すれば, 有効な対策が確立されていないため, 患者の予後に極めて悲観的な影響をおよぼす. われわれは大阪大学第1外科において, 過去5年間に, 肺縦隔手術後に発生した本合併症7例を経験している.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ