アブストラクト(20巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁膜症の術前肺機能異常の手術直後における表現について
Subtitle : 原著
Authors : 弥政洋太郎, 灰谷馨
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部第1外科学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 20
Number : 1
Page : 39-46
Year/Month : 1972 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒言」僧帽弁膜症は左房圧, 肺静脈圧の異常上昇によって招来される肺うつ血のためにさまざまの程度の肺の組織学的変化をもたらす. すなわち肺胞壁の肥厚, 間質の浮腫様増生, 肺細小動脈の中膜の肥厚, 内膜の増生などである. さらに低酸素症に対する反応としての血管攣縮性の因子が加わり, いっそう肺血管系は閉塞性となり, 肺血管抵抗の増大による肺高血圧症が進展する. このような血行動態的および組織学的変化は, いわゆる肺機能面でも術前において種々の程度の障害として把握される. すなわち拡散障害による動脈血酸素飽和度の低下, 分時換気量の増大, 肺容量諸値の減少, 最大分時換気量の減少, 換気予備率の減少, 酸素当量の増大などである. われわれは従来各種心疾患についてWagnerら1)によって始められた131I-MAAによる肺シンチグラムの研究を行なってきたが, 今回本法により把握された本症患者の術前の肺機能障害, とくに肺血流障害が, 当然の帰結として手術直後の時期にいかなる表現を示してくるかを検討してみた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ