Authors : |
川島康生, 森透, 森護, 野村望, 藤田毅, 宮本巍, 内藤泰顕, 堀口泰範, 岡本重一, 団野迪昭, 橋本聡一, 筆本由幸, 三田紀行, 永井勲, 加藤正明, 小塚隆弘, 野崎公敏, 佐藤健司, 曲直部寿夫1), 立入弘2) |
Abstract : |
「1. 緒言」かつて2本の大血管と2つの心室の存在することがわかりさえすれば, すべての先天性心疾患は手術台に乗せて差支えないという大胆な意見を述べるものがあったが, 現在ではこの説は特殊な疾患を除いては真実である. そして近年では心臓からの大血管が1本のみの場合すら根治手術の対象となっている1)2). 一方心室が1つしか存在しないもの, すなわち単心室症例については永らく根治手術は禁忌と考えられて来た. われわれは昨昭和45年本症の根治手術成功例3)を得るに至ったが, すべての単心室症例が根治手術可能となったのではなく, その多くは今目なお姑息的手術の対象であるか, あるいは全く手術の方法を見出し得ないのが現状である. そこで本論文においては教室で現在までに経験した本症の手術症例を検討し, 本症の分類とその手術適応を中心に考察を行なったので報告する. 「2. 対象」現在までに経験した単心室症例は37例であり, そのうち手術を施行したものは16例であった. |