アブストラクト(20巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ファロー四徴症の病態生理 ―とくに肺血管床, 傍側循環, 左心室容積に対する検索―
Subtitle : 原著
Authors : 安井久喬, 西村正也
Authors(kana) :
Organization : 九州大学医学部第1外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 20
Number : 12
Page : 895-908
Year/Month : 1972 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒論」ファロー四徴症の病態を決定する最大の因子は, 右室流出路狭窄の程度であろう. そして右室流出路狭窄の結果と考えられる肺血管床の異常, 傍側循環の発育, 左心室の発育状態が, 最もよくその病態を表現しているものであるといえよう. しかもこれら肺ならびに左心室の異常は, 右室流出路狭窄と異なり, 外科的に修復不可能な要素であるため, 根治手術の適応を考えるとき, 絶対的な意味をもつものであり, 欠くべからざる要素といわねばならない. 幸いに軽症例や年長例には, 根治手術を不適当とする程著しい肺ならびに左心室の異常が少ないため, これらの要素は軽視されがちであった. しかしLilleheiに始まる根治手術の進歩は, 最近の諸施設の手術死亡率を10~20%と減少させるとともに, その適応を益々重症な例へ, また幼若な例へと拡大させつつある. 確かに最近の右室流出路狭窄に対する外科手術の進歩は目ざましく, 手術適応拡大の大きな原動力となっている. しかし右室流出路の形成が完全になればなる程, 修復不可能な肺ならびに左心室の異常が手術成績を左右する重要な因子になって来よう.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ