Authors : |
田村正秀, 松倉裕美, 本間仗价, 久保田宏, 小沢達吉, 沢口亮三, 川上敏晃, 黒島振重郎, 杉江三郎 |
Abstract : |
「はじめに」心筋硬塞や重症開心術後症例などにみる心筋収縮不全(power failure), 心原性シヨックなどに対する内科的治療には, 自ずと一定の限界があり, この限界を超えて治療を進めんとする方法に, "機械的治療法"がある. これは, 一般的に補助循環法(Assisted Circulation)と呼ばれ, 重症不全心に対し積極的に人工ポンプにより循環の補助もしくは代行を行ない同時に心筋に対する血液供給を改善させ, これにより心筋収縮力の回復をはかり, もって循環不全の治療を行なわんとする新しい試みである. 機械的循環補助法として, 従来, 多くの研究者により幾つかの方式が考案, 検討されてきており, 種々の観点から分類が試みられている. たとえば, Suggら1)は, その作用効果の面から, また阿久根2)は, その適応病態により, 本法の分類を試みている. 一方, 本法をその補助理論の面から考えると, 1)心臓の前負荷の軽減, 2)後負荷の軽減, および3)この両者の軽減をはかる方法に大別されよう3)4). |