アブストラクト(20巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ファロー四徴症における肺シンチスキャニング手術適応判定との関連を中心として
Subtitle : 原著
Authors : 松本靖成, 麻田栄
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部外科学第2講座
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 20
Number : 7
Page : 603-614
Year/Month : 1972 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「第1章 緒言」ファロー四徴症に対する根治手術は, 近年ようやく一般化され, その手術成績はとみに向上してきたが, 重症例における成績は, なお満足出来るものではない. さて, ファロー四徴症は肺血流の減少を特徴とする疾患であり, 加うるに赤血球増多に伴う血液粘稠度の亢進, あるいは組織学的に証明される肺小動脈の閉塞性病変などから, 本疾患には肺内血流の分布障害が存在することが早くから予想されており, これが根治手術後の心肺機能不全と密接な関係を有することが推測されてきた. ファロー四徴症の手術適応決定上, 従来最も有力とされてきた心血管造影法は, 右室流出路から肺動脈本幹ないし分岐部にわたる形態異常については, かなり詳細な所見を提示してくれるが, これによって, さらに末梢領域の肺動脈の形態を詳細に解明することは, 殆んど不可能に近い. 著者は, これまであまり問題にされなかったファロー四徴症の末梢肺循環の動態に検討を加えるべく, 131I-MAAによる肺シンチスキャニング法を用いて, 局所肺血流分布障害の有無, およびその程度を検索するとともに, 経大動脈性の肺シンチスキャニングをも行なって, 気管支動脈系を介する副血行路の状態をしらべ, 末梢肺循環の面から本症の手術適応, 手術成績, ならびに予後等に関する判定資料を得たい目的で, 本研究を行なった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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