アブストラクト(21巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右室二腔症の1例
Subtitle : 症例報告
Authors : 弥政洋太郎, 阿部稔雄, 土岡弘通, 清水健, 寺田勅男, 福田巌, 田中稔, 田本杲司, 彦坂博, 平松隼夫, 小沢勝男, 吉岡研二
Authors(kana) :
Organization : 名古屋大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 21
Number : 10
Page : 984-993
Year/Month : 1973 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右室2腔症は異常に発達した肉柱(aberrant muscular bands)により右室腔が2分され, いわゆるhigh-pressure proximal chamberおよびlow-pressure distal chamberの2腔を形成する発生異常である. Grantら1)(1961)は, moderator bandに近接して右室流出路の始りの部分に位置するこの閉塞性の肉柱は, bulbar musculatureのoblique componentの肥大によって発生すると考えた. 多くは他の奇型を合併し, その過半数は心室中隔欠損であり, 他に肺動脈弁狭窄, 肺動脈閉塞, 動脈管開存などの合併が報告されている. 1969年に私達はVSDを合併した本症の2例の手術経験を報告した18). Galeら11)(1968)は, 正しい説明はともかくとして, 本症の術前診断は重要であり, 手術時においてすら解剖的関係を明らかにすることは困難な場合があると言っているが, 最近私達は数年前に単なるVSDと診断してその根治術を行ない, 術後にVSDの再発と右室内における狭窄の存在に気付き, 再手術を施行して本症であることを確認, 改めてVSDの閉鎖と狭窄肉柱の切除を行なって根治せしめ得た症例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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