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1957年以来の, 当教室における両大血管右室起始症の剖検および手術症例38例につき, その解剖と, 術前検査, とくに心血管造影所見を中心に検討した. 本症を, cardiac loop, VSDの位置, 解剖学的左室, 両房室弁の発育状態等々より, 次の如く分類した. 1. concordant subaortic VSD type 2. concordant subpulmonary VSD type 3. concordant unusual VSD type 4. discordant type 5. complicated type 診断上, 最も有力なものは, 心血管造影所見で, subaortic typeでは, 肺動脈弁輪は, 大動脈弁輪より, より前方で高くにあり, 一方subplmonary typeでは, 大動脈弁輪が, より前方で高くにあった. 前者はFallot四徴症, 後者は大血管転位症との鑑別が問題である. 手術には, 姑息的手術と根治手術とがある. 根治手術に関しては, subaortic typeはVSDより, 大動脈へのトンネルパッチを当て, 肺動脈狭窄には, 流出路筋肉の切除, 流出路パッチ, または弁付グラフトを必要により行なう. これは, Fallot四徴症の手術と根本的に同じである. Subpulmonary typeの手術は第1に肺動脈へのトンネルパッチ+Mustard手術, 第2にsubaortic typeと同様な手術, 第3に心内パッチによる中隔形成操作で, 血流を心室で入れ換える事である. これは完全大血管転位症の手術に根本的に似ている. unusual VSD typeでは, doublycomitted typeではsubaorticと同様, closing VSDではVSDの拡大が必要である. discordant typeは, atrio-ventricular discordanceとbulvo-ventricular discordanceで, 全く手術手技が異なる. complicated typeは手術適応のむずかしいものが多い. 手術死亡率は66%と高率であるが, 今後成積は向上するものと思われる. |
