アブストラクト(21巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 最高血流速度比に関する研究 ―大腿動脈血流波形より心拍出量を推定する方法―
Subtitle : 原著
Authors : 井島宏
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所理論外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 21
Number : 12
Page : 1149-1161
Year/Month : 1973 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 臨床上, 心拍出量の簡単かつ信頼できる測定法は, 指示薬稀釈法を除いては広く用いられているとはいい難. 指示薬稀釈法にも, その誤差あるいは手技上に多々問題がある. 著者は, 心拍出量測定における簡便さを目標として, 大腿動脈最高血流速度と最高心拍出速度との関係に着目し, 心拍出量推定の新らしい一方法を考案し, 実験的研究を行なった. 実験は, 麻酔開胸下の雑種成犬14頭を3群(I群は薬物投与なし, II群はisoproterenol投与, III群はnorepinephrine投与)に分けて用い, 大動脈圧, 上行大動脈血流波形, 大腿動脈血流波形を, 10ml/kg毎の脱血, 輸血を繰り返すことにより循環血液量の変動を与えて, 心拍出量を9段階に変化させ, 各段階で, 最高血流速度, 収縮期時間間隔, 心拍数などの循環パラメータを測定記録した. 心拍出量と大腿動脈平均血流量との間には, 良い相関関係は得られなかったが, 一拍の大腿動脈血流波形を三角形とみなすことによって, 大腿動脈血流量を近似計算する実験式を4式作成し, これら4実験式と心拍出量との関係を求めたところ, 各群とも同程度の良い相関関係を得ることができた. 大腿動脈最高血流速度, 大腿動脈内径, 収縮期時間間隔, 心拍数の4つの循環パラメータが測定できれば, 4実験式と心拍出量との間に求められた回帰直線式を用いることによって, 心拍出量を推定することが可能であることを示した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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