アブストラクト(21巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸郭成形術後23年を経て手術せる胸腔内腫瘤の1治験例
Subtitle : 症例報告
Authors : 井出研, 尾上正明, 西寿治, 土谷隆一, 二宮浩, 和田達雄
Authors(kana) :
Organization : 横浜市立大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 21
Number : 12
Page : 1167-1170
Year/Month : 1973 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : われわれは, 最近, 胸郭成形術の術後に生じた胸腔内の腫瘤に対し23年を経て摘除する機会をえた. あわせて切除肺の結核性病巣の変化を鏡検しえたので報告する. 「症例」57才の男子. 昭和47年11月頃より嗄声を認めたが, 全身状態に異常はなかった. 本年3月になり嗄声がやや増強してきたので本学耳鼻咽喉科を受診し, 左反回神経麻痺と診断され, さらに胸部単純レントゲン写真で左胸部の異常陰影を指摘され当科に併診された. 既往歴には昭和24年にシベリヤから復員した直後, 肺結核と診断され某病院にて昭和25年3月7日, 28日の2回にわたり左胸郭成形術をうけた. 2ヵ月後に撮影した胸部単純レントゲン写真で左胸部に濃い陰影があるのに気付いたがそのまま放置し, 術後3ヵ月の入院で退院した. 当時, ストレプトマイシンを10本使用した以外に化学療法をしていない. その後は順調で某医により年1回の胸部レントゲン検査を行なっていたが, 将来摘出の必要があるかもしれないといわれている. なお, 左胸壁に自覚的に腫瘤ないし腫脹を気付いていない. 外来時診断は左縦隔腫瘍とその圧迫による左反回神経麻痺で検査および手術のために入院した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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