アブストラクト(22巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 表面冷却下低体温麻酔時の末梢循環動態に関する研究(第2編)-微小循環動態について-
Subtitle :
Authors : 牧田俊彦, 橋本勇
Authors(kana) :
Organization : 京都府立医科大学第2外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 22
Number : 1
Page : 16-41
Year/Month : 1974 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 現在では開心術の補助手段として低体温法が利用されているものの, なお幾多の問題点が残されている. その間題点を末梢循環動態から検討して, 安全で確実な低体温法を確立するのが本論文の目的である. 第1編では, 低体温時の体液循環動態, 末梢循環動態および門脈循環動態について述べたが, 本論文では低体温時の微小循環動態から検討して, 低体温時の病態生理の一面を解明しようとした. 低体温時の微小循環動態の変化は主として細静脈における血管内赤血球凝集現象や赤色血栓, そしてPlasma skimmingや白血球壁膠着現象や虚脱性血管拡張, そして加温過程における漏出性出血などからなつている. 著者は低体温時の循環動態に関して, Controlled shockという概念を提起した. 低体温時の微小循環動態を分析すると, 冷却30℃前後はIschemic phaseで, 冷却25℃前後はStagnant phaseで, 20℃前後ではCollapse phaseであり, 加温25℃前後はStagnant phaseであり, 加温30℃まではRecovery phaseであることを指摘した. また, 低体温時の循環障害の改善剤として, 10%LMDおよびHydrocortisoneを考え, 冷却前に, それぞれ5cc/kg, 20mg/kgを投与することにより, その循環障害を未然に防止できることを確認した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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