アブストラクト(22巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁弁膜疾患術後遠隔時血行動態特に閉鎖式交連切開症例とdisc弁置換症例との比較検討に関する研究
Subtitle : 原著
Authors : 堀口泰範, 曲直部寿夫
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 22
Number : 6
Page : 561-575
Year/Month : 1974 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 閉鎖式経左心室交連切開症例7例, 男子4例, 女子3例について術後3~22ヵ月(平均13ヵ月), 僧帽弁置換症例11例, 男子5例, 女子6例について術後7~56ヵ月(平均31ヵ月)の遠隔時の安静および運動時の血行動態の比較検討を行った. 心臓カテーテル時はいずれの症例も何ら愁訴はなく, NYHAI度であった. 安静時肺動脈圧平均圧25mmHg以上を示したのは交連切開1群1例, 弁置換群1例であり, 左心房平均圧12mmHg以上を示したのは交連切開群3例, 弁置換群3例であった. 運動負荷にて肺動脈圧, 左心房圧は上昇したが, 肺血管抵抗は正常な反応であった. すなわち. 肺血管床をはさんだ肺動脈平均圧と左心房平均圧差は有意な上昇を示さなかった. 左心房左心室拡張期圧差(LAm-LVEDP)は交連切開群では3例に, 弁置換群では4例に安静時にすでに認めたが, 交連切開群の1例を除き運動負荷にて出現ないし増加した. 左心室拡張期終末圧は運動により安静時に比して上昇したのは6例で, この内5例は2mmHg以上の上昇であった. 5例中4例(80%)が弁置換群であった. 運動による1回拍出量と左心室拡張期終末圧との関係では, 交連切開群の86%が正常な反応を示したのに対し, 弁置換群では64%にとどまった. 交連切開群, 弁置換群18例の血行動態的検討では, 左心機能において交連切開群が弁置換群よりすぐれた結果が得られた以外, 各血行動態の指標は両群の間には有意差を認めることはできなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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