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牧田俊彦, 大賀興一, 高橋俊三, 田部志郎, 中村昭光, 浅妻茂生, 白方秀二, 佐々木義孝, 宇賀四郎, 金偉雄, 平田邦寿, 中路進, 原智次, 渡部高久, 橋本勇 |
| Abstract ： |
「はじめに」両大血管右室起始症（Double Outlet Right Ventricle以下DORVと略す）は1957年Witham1）により最初に報告された. 本症は, 心発生途上で大動脈が極端に右方転位をきたして, 肺動脈とともに, 大動脈も右室から起始し, 左室流出口は心室中隔欠損口のみとなつたものをいう12）. 本症は比較的まれな疾患であるが, 今日の診断技術の進歩により報告症例は増加してきた. DORVは, 右室流出路狭窄の有無により, 臨床像は大いに異り, 肺動脈狭窄を伴う場合は, ファロー四徴症と類似し, 肺動脈狭窄のない場合は, 肺高血圧症を伴い, 重症心室中隔欠損症に類似する. それ故に, 術前診断を誤つて心室中隔欠損口を閉鎖すると患者を死に至らしめることになるので, 正確な術前診断が大いに必要となる. 現在では, シネアンギオや心血管連続撮影（biplane）により, ほぼ確実に術前診断が可能となり, 根治術も可能となつてきた. |
