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山本省吾*, 竹内成之*, 相馬康宏*, 勝本慶一郎*, 小出司郎策*, 今村洋二*, 吉津博*, 井上正*, 小佐野満**, 石井忠信** |
| Abstract ： |
「はじめに」三心房（cor triatriatum）は通常左心房が異常隔壁によりproximal chamberとdistal chamberに分れ, その間に小さな交通孔を有する比較的まれな先天性心疾患である. 1868年Church1）により初めてその解剖例が報告され, その後1956年Vinebergら2）, Lewisら3）によつて本症の手術治験例が初めて報告されたが, 本邦における手術治験例（表1）は著者の集録では6例を数えるに過ぎない4）-9）. 本症はしばしば心房中隔欠損症を合併するが, 心房中隔欠損症合併の有無, あるいは異常隔壁と中隔欠損孔の相互位置関係, さらには隔壁内交通孔の大きさなどによつて, あるものは肺静脈閉塞症状を示し, あるものは心房中隔欠損症と類似の血行動態を示すため, これらを来す疾患との鑑別が困難な場合が多く, 術前に他疾患と診断され, 術中三心房と確診される場合も多い. |
