Abstract : |
近年, 短半減期核種, scintillation cameraの開発により, 循環器疾患の診断においても核医学的診断法が導入されるようになつた. しかし, 本邦においてはまだ臨床面の研究は少なく, とくに診断率や重症度の判定にどの程度有要性を発揮するか充分に把握されていない. そこで著者は, 主としてscintillation cameraによる循環動態の研究を行い, radiocardioangiogramやradioisotope dilution curveと, それから計測されるC2/C1 ratioから先天性および後天性心疾患ならびに動脈系疾患の診断を試みた. radiocardioangiogramでは短絡流の証明, pooling像, 拡大像がその主な所見として診断的価値を認めた. dilution curveとC2/C1 ratioの数値から心疾患の循環動態と重症度をある程度判定することができた. 本法は非観血的に実施することができるので被検者に対するriskはなく, 幼小児, 老令の患者に対しても容易に実施することができる. また, 記憶再生装置によつて心臓各部の希釈曲線を分析することが可能であり, 心臓カテーテル法やangiogramに匹適する臨床データーを提供するものである. |