Abstract : |
「はじめに」permanent pacemaker植込み後の合併症のうち, 創移開, generator被覆組織の壊死, 創感染, などの発生は数少いが完全には防止し得ない. 一旦この種の合併症をおこせば, 原則として, generatorの交換, 時には電極をも含めての交換を余儀なくされ, 臨床的に煩瑣な合併症といえる. しかし, これら近縁の病態を仔細に検討してみると, 互いに密接な関連はあるが, 全てを同一の範疇に入れて画一的な処置を行うことには疑問がある. 創の状態を注意深く観察すれば, 対応すべき臨床的な処置は個々の症例に応じて自ら別のものとなり得る. 以下, 経験した症例を中心に創移開, 被覆組織の壊死をとりあげて, 外科処置についての若干の考えを述べる. 「症例」症例1. Y.O. 37才, 男子. 筋強直性ジストロフィー症でsinus arrestによるStokes-Adams発作をきたしたので, 一時的pacingの後に, Cordis Stanicor pacemaker, 心筋電極, を用いpermanent pacingを行つた, 電極は傍胸骨切開法で右室流出路心筋に縫着, generatorは左側腹壁皮下に埋没した. |