Authors : |
森透, 川島康生, 藤田毅, 橋本聡一, 北村惣一郎, 高野久輝, 大西健二, 加藤正明, 中埜粛, 松田暉, 曲直部寿夫, 小塚隆弘* |
Abstract : |
三尖弁閉鎖症は三尖弁口を欠如し, 体静脈潅流血はすべて左心房に短絡し, したがって, 左心室は肺・体両循環系に血液を送り, 機能的には単心室症に相当する疾患である. その病型はEdwards-Burchellの分類1)に示される如く多彩である. 本症の外科的治療は従来, 肺血流量増加を目的とするBlalock氏手術2), Potts氏手術3), Waterston氏手術4), Glenn氏手術5-9), もしくは逆に肺血流量を減少させる肺動脈絞扼術3)など, 多くの方法が姑息的手術として行われてきた, 近年, Fontanら10)は右心室を完全にバイパスすることにより本疾患を機能的に根治せしめることに成功した. その後, Kreutzerら1)はさらにこれを簡略化した術式により本症を機能的に根治することに成功した. 最近, 著者らもまた, 本症の1例にこのKreutzer氏の方法にしたがって手術を行い成功した. 本論文はその術前および術後の経過を, 術後に行った安静時および運動負荷時の血行動態的検査の結果とともに報告するものである. |