アブストラクト(23巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 原発性肺線維肉腫について
Subtitle :
Authors : 佐藤博俊, 藤原真澄, 大久田和弘, 藤村重文, 橋本邦久, 仲田祐
Authors(kana) :
Organization : 東北大学抗酸菌病研究所外科学部門
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 23
Number : 3
Page : 297-301
Year/Month : 1975 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : はじめに 1930年以前には, 原発性肺肉腫はそれほど稀な疾患ではないと考えられていた. しかし, 1926年にBernard1)が, 1930年にKarsner2)らが, それまで肺肉腫と考えられていたものの大部分が肺の未分化癌の範疇に入るべきものであることを指摘して以来, 原発性肺肉腫の報告例は著しく減少し, 現在ではきわめて稀なものであるとされている. 本邦における原発性肺肉腫の報告は1891年に貴家3)が癌肉腫剖検例の記載をしたのにはじまり, 現在まで87例に達するが, 戦前の17例はBernardの指摘の如き肺の未分化癌が含まれており, 本邦では戦後の70例を原発性肺肉腫と考えるべきであろう. 著者ら4)が集計した戦後の原発性肺肉腫70例の統計的観察の結果, 性比はほぼ2:1で男性に多く, 年令では各年令層にほぼ均等に分布し, 平均年令は44.2才で, 欧米における成績とほぼ一致していた. 症状は83.1%の症例に何らかの訴えがあり, 胸背部痛54.2%, 咳49.8%, 血痰39.6%, 痰19.3%であったが, 早期の症例の大部分は無症状であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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