アブストラクト(23巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 体外循環下の直流, 交流, および自発的心室細動法の比較 とくに左室局所冠血流量および心筋内組織圧について
Subtitle : 原著
Authors : 奥森雅直*1, Ronald J.Baird*2, 村上忠重*1
Authors(kana) :
Organization : *1東京医科歯科大学第1外科, *2トロント大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 23
Number : 7
Page : 833-838
Year/Month : 1975 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 体外循環下, 直流または交流電波刺激による心室細動, および両者の刺激を除去し自発的に維持した心室細動の3条件下に, 局所冠血流量および心筋内組織圧を測定し, 各種心室細動の比較を雑種成犬13頭を使用して試みた. 最初直流(5volt, 1msec, 400-500cycle per min), つぎに自発, 最後に交流(60cycle per sec, 8volt)による心室細動と同一動物で変えた実験を5頭に施行した. 一方, 最初交流, その後自発, 更に直流と心室細動を維持した実験を同様5頭に行った. 各心室細動は15分から30分間持続した後, microspheres methodにより3種の異なるisotopesを3つの条件で注入局所冠血流量を測定した. その結果, 三種の異なる心室細動の間には, その左室壁の冠血流量, 左室心内膜側および外膜側冠血流量, さらには心室中隔の冠血流量には有意の差は認められなかった. 一方雑種成犬3頭の左室壁心筋内組織圧を冠血流量と同様, 直流, 自発, 交流による3種の心室細動で測定したが, 各種細動間には差異はほとんど認められなかった. 以上の結果から, 心室細動下の局所冠血流量と心筋内組織圧は細動の刺激が異なっても有意の差が無く, それ故異なる刺激による心室細動法の間には有意の差はないと考える. 然しながら体外循環の潅流圧が充分高く左室内膜側に充分の血流分布があり, また他の体外循環の条件がほぼ同じである前提が欠かせない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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