アブストラクト(23巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 正常大動脈弁を有する僧帽弁閉鎖症に対する外科治療の検討
Subtitle : 原著
Authors : 松田暉*1, 川島康生*1, 大西健二*1, 北村惣一郎*1, 大山朝賢*1, 横田博雅*1, 宮本勝彦*1, 友国隆*1, 浜路政靖*1, 鎌田振吉*1, 曲直部寿夫*1, 小塚隆弘*2, 江林俊和*3
Authors(kana) :
Organization : *1大阪大学第1外科, *2大阪大学放射線科, *3愛染橋病院小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 23
Number : 7
Page : 839-846
Year/Month : 1975 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 僧帽弁閉鎖症は大動脈弁が正常の場合と, 閉鎖あるいは低形成の場合とで血行動態および予後が異なり, 前者の場合は外科的治療の道が残されている. 今回正常大動脈弁を有する2例を経験し, その1例に外科的治療を行った. 第1例は肺動脈狭窄を伴う2歳の男子で, 第1回目の手術で心房中隔欠損孔の拡大術を行ったが, 臨床症状の改善は軽度であった. 第2回目の手術として右心バイパス手術を考慮したが, 結果的にはGlenn氏手術に準じた方法を行い, 臨床症状の改善を見た. 第2例は生後18日目に心カテーテル検査を行った症例で, 肺動脈狭窄がなく, 2ヵ月後心不全で死亡した. 本症に対する外科治療の方法は, 肺動脈狭窄を伴うか否かで異なるが, 左心房圧が上昇している時には, ともに心房間交通孔の拡大を計らねばならず, 肺動脈狭窄のない場合で肺血流量が過大になる時には肺動脈絞扼術を合せ行う必要があり, 肺動脈狭窄のある場合はさらにシャント手術を考慮しなければならない. 肺血管抵抗の低いものには, 三尖弁閉鎖症に対しすでに行われている方法に類似した完全右心バイパス手術も適応となると考えられる. 僧帽弁閉鎖症の分類法に関して, 外科的治療を考慮する場合には, 大動脈弁が正常か否か, および大動脈弁が正常の場合には肺動脈狭窄を伴うか否かで分類する方法が, 臨床的に有用である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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