アブストラクト(23巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 限局性気管支狭窄を伴つた肺領域への異常動脈の1例-とくにPulmonary sequestrationとの関連性について-
Subtitle : 症例
Authors : 山崎史朗*, 川田光三*, 相馬康宏*, 福田豊紀*, 井上正*, 三方淳男**
Authors(kana) :
Organization : *慶応義塾大学外科, **慶応義塾大学中検病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 23
Number : 8
Page : 1022-1030
Year/Month : 1975 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺の先天異常は胸部外科医がしばしば遭遇するが, 症例によつては種々の奇型の複雑な組み合わせにより分類上の位置づけに困難を感じることがある. intralobar sequestrationの多くの報告例は異常動脈と同時にそれが流入する肺領域の正常肺からの分画をみるが, 文献上正常肺組織への異常動脈の流入のみられる症例をもintralobar sequestrationとして報告しているものがあり, その定義に関して一致した見解に到達していない. また発生病理に関しても未解決のままである. われわれは正常の肺構造をもつた左下肺葉の大部分の領域に胸部下行大動脈から太い異常動脈が流入し, さらに下葉気管支は上葉気管支との分岐直下で限局性狭窄を示し, 同時に動脈管開存症と先天性僧帽弁閉鎖不全症の合併をみたきわめて稀れな症例を経験した. われわれは気管支肺胞系と血管系が同じ領域に合併した症例をintralobar sequestrationと定義した方が妥当であろうとの立場に立ち, 本症例をintralobar sequestrationの範ちゆうに入れないで報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ