アブストラクト(23巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 陳旧性気管支内異物の2治験例
Subtitle : 症例
Authors : 貴島政邑, 伊東保, 佐藤良昭, 平井勝也, 中本実, 岩渕秀一, 長尾房大
Authors(kana) :
Organization : 東京慈恵会医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 23
Number : 12
Page : 1459-1464
Year/Month : 1975 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 気管または気管支内異物は, 臨床上少なからず遭遇するものであり, その摘出が困難である場合も少なくない. 異物誤嚥直後の新鮮例では内視鏡的摘出が成功するのが通常であって, その摘出操作についてもいろいろと工夫が試みられている. 末梢気管支内に異物が達すると, 経気管支鏡的な異物摘出は極めて困難となり, これが摘出されずに放置された陳旧例では, 合併症ないし続発症の出現のために, 観血的に異物を摘出せざるを得ない場合が多い. 私どもも, 陳旧なる気管支内異物の症例で, 長期間無症状に経過した後に続発症のために, 肺葉切除を余儀なくされた2症例を経験した. 症例1. 29歳, 男性. 主訴. 発熱, 左背部痛. 現病歴. 約7年前に注射針を誤嚥して, 某病院を訪れたが, 気管支鏡による摘出が不成功に終った. その後は放置したまま約6年半自覚症状もなく経過したが, 入院の約半年前より左側胸部痛を感じるようになった. そして1ヵ月程前から胸部痛は増強し, 時に背部に放散する腹痛がおこり, さらに高熱(40℃前後), 咳嗽, 悪心が始まった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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