アブストラクト(24巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気泡型人工肺のガス交換機能に関する実験的研究
Subtitle :
Authors : 野村望, 曲直部寿夫
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学第1外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 24
Number : 1
Page : 7-18
Year/Month : 1976 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 現在広く用いられている気泡型人工肺の構造, あるいは操作法と人工肺ガス交換機能との関係を調べた基礎的研究はきわめて少ない. 本研究では, 著者らが開発した人工肺ガス交換機能検査法を用いて, 気泡型人工肺の操作的変量および構造的変量と人工肺ガス交換機能との関係を実験的に研究した. まず, 気泡型人工肺の操作的変量を人工肺流入血流量(以下血流量と略す)と, 人工肺吹送酸素流量対流入血流量比(以下酸素血流量比と略す)に分けた. この内で, 血流量の増加は人工肺の酸素添加能および炭酸ガス排出能を低下させた. これに対し, 酸素血流量比の増加はガス交換機能を向上させた. つぎに, 気泡型人工肺の構造的変量をO2-disperserと酸化筒に大別して検討した. O2-disperserに関しては, 細孔の直径5μのものの方が100μのものより酸素添加能において勝れていたが, 炭酸ガス排出能に関してはほとんど差は認められなかつた. また, 細孔数の減少は, 酸素添加能を低下させたが, 炭酸ガス排出能は逆に向上した. 酸化筒の形状に関しては, 筒長対断面積比が6以上の細長型のものの方が, それ以下の太短型よりも交換機能において勝れていた. また, 酸化筒の容量の増加は, この筒長対断面積比の影響を小さくする効果があるが, 血流量の増加に対するガス交換機能の低下を軽減する作用は, 極めてわずかであつた. 気泡型人工肺の構造的変量および操作的変量とガス交換機能との間に介在する因子として, 酸化筒内酸素血液量比および酸化筒内血液通過時間をとり上げ, これらの因子を用いて, 構造的および操作的変量とガス交換機能との関係づけを行つた. 最後に臨床使用気泡型人工肺の構造上の問題点を, 操作的変量と関連づけて考察した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ