アブストラクト(24巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 刺激休止期に電力送信を行う誘導型ペースメーカーの臨床経験-とくに乳幼児房室ブロックへの適応について-
Subtitle :
Authors : 須磨幸蔵1), 中島一巳1), 石井信之1), 辻隆之1), 井上健治1), 城間賢二1), 保浦賢三1), 横山正義2), 前田肇2), 常本実3), 太田喜義3), 島田宗洋3), 豊島健4), 根本鉄4), 戸川達男4)
Authors(kana) :
Organization : 1)東京女子医科大学第二病院循環器外科, 2)東京女子医科大学心臓血圧研究所外科, 3)国立小児病院心臓外科, 4)東京医科歯科大学医用器材研究所
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 24
Number : 1
Page : 63-69
Year/Month : 1976 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 従来の方式と異なり, 心臓刺激休止に電力を送信する誘導型ペースメーカーを開発し, 昭和45年6月から臨床応用を開始した. このペースメーカーは外部からの電力雑音が心臓に作用しない, run-awayがないなど安全性の点からすぐれている. 現在まで生後5ヵ月および6ヵ月の乳児2例, 1歳4ヵ月, 1歳1ヵ月, 3歳5ヵ月, 1歳11ヵ月の幼児4例, 29歳の成人1例の計7例に応用した. ペーシング期間は最長4年10ヵ月, 最短3ヵ月, 平均2ヵ月であり, 現在も全例ペーシングを続けている. 実際の使用にあたつて最も苦慮した点は送信コイルと受信部とのズレによつて生じるペーシング不全の防止である. 現在網包帯で仮止めし, その上から固定着をつける方法で送信コイルのズレによるペーシング不全は経験していない. 電極はステンレス鋼のコイル状心筋電極を用いた. これは直接誘導型ペースメーカーでの経験から10年以上の長年月が使用に耐えると考える. 心筋装着方法としては捻じ込み式を用い, これは心臓の小さい乳幼児の場合に有用である. 誘導型ペースメーカーは形が小さい, 半永久的に使用できる. 心拍数のコントロールが容易であるなどの点で, とくに乳幼児の房室ブロックの治療に適している. また成人の房室ブロックにも積極的な使用が望まれる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ