アブストラクト(24巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Infracardiac type総肺静脈還流異常症の治験例について
Subtitle :
Authors : 川島康生, 松田暉, 宮本勝彦, 中田精三, 大野喜代志, 北村惣一郎, 高野久輝, 森透, 小塚隆弘, 曲直部寿夫
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学第1外科, 大阪大学放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 24
Number : 2
Page : 172-180
Year/Month : 1976 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 生後2ヵ月の心臓下部還流型総肺静脈還流異常症を経験した. 心臓カテーテル検査および心臓血管造影により動脈管開存と大きな心房中隔欠損を合併しており, 肺静脈は樹枝状を呈し, 共通肺静脈は垂直に下降して横隔膜を貫き, 門脈に還流していることを認めた. 昭和49年10月5日に根治手術を施行した. 表面冷却に体外循環冷却を加えて体温を20℃とし循環を停止した. 樹枝状を呈する肺静脈のうち, 下肺静脈は心膜の後にあつて認めることはできなかつたが, これを剥離し, さらにその末梢で下降する共通肺静脈をも遊離した. 左右の上肺静脈の合流点を中心にこれに約15mmの横切開を加え, 左心房後壁と吻合した. 動脈管を結紮し, 大きな心房中隔欠損を心膜を用いて閉鎖した. また共通肺静脈は下肺静脈の末梢で結紮した. 循環停止時間は55分であつた. 患児は術後7ヵ月の現在体重も順調に増加し, 元気な毎日を送つている. 本症例は本邦における心臓下部還流型総肺静脈還流異常症の根治手術成功第1例と思われるので, 従来の文献に関する考察とあわせて報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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