アブストラクト(24巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺疾患の非開胸生検-穿刺診断法-に関する研究
Subtitle :
Authors : 松村公人, 香月秀雄
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部肺癌研究施設第一臨床研究部門
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 24
Number : 3
Page : 245-257
Year/Month : 1976 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺疾患の診断法としての経皮針生検法による診断の歴史は古いが, 副作用の発現頻常が高く, 経気管支診断の飛躍的進歩により, 肺疾患の診断の穿刺法は価値は一時軽視されるに至つた. しかし, 末梢肺野の癌腫, 転移性腫瘍, その他の肺疾患の診断は気管支内の各種診断法によつて病巣の到達の不確か, 不可能な場合が多く, 改めて経皮穿刺診断法の開発が要求されるに至つた. 著者は採取検体の質的, 量的の条件を満足させ, しかも合併症の少ない穿刺針の開発に努めた結果, ほぼその条件を満足させしめる段階に至り, これを用いて1967年以後284例の症例に実施し, 原発性肺癌においては約78%, 転移性肺腫瘍の71%などの比較的良好な成績を得るに至つた. また, その病理組織型の判定についても切除例との検索を加えたところ, 腺癌, 扁平上皮癌においては, ほぼ90%の一致率を度た. なお, 非癌性疾患については診断の困難なものが残されるが, 合併症の発生率は約12%で, これも軽度の気胸に留まる場合が大部分で, 重篤な合併症を認めていない. 現在, 診断確定にはなはだ困難とされている末梢肺野の病巣に対し, 診断方法として安全かつ有効なる方法を確立したものとして報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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