アブストラクト(24巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺癌に対する心膜合併肺剔除術後の心臓脱
Subtitle :
Authors : 土屋了介, 未舛恵一, 尾形利郎, 米山武志, 成毛韶夫
Authors(kana) :
Organization : 国立がんセンター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 24
Number : 3
Page : 258-263
Year/Month : 1976 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「はじめに」最近われわれは肺癌症例に対し, 心膜合併肺剔除を行つた直後に心臓脱を起し, 再開胸にて整復し, 救命し得た症例を経験したが, 心膜合併肺剔除後の心臓脱は稀な疾患であり, 本邦での治験例は報告されていない. 1948年Bettmannの報告1)以来, 欧米では25例の報告があり5)6)7)8)9)10)11)12)13)14)15)16)17), 12例が死亡している. 本疾患は適格な診断と早期の外科的治療を必要とし, 治療がおくれると致命的となる. 発症は急激であり, 突然の血圧下降, 頻脈, 気道閉塞を伴わないチアノーゼが特徴であり, 全例術後24時間以内に発症している. 右側心臓脱は胸部単純X線写真で容易に診断されるが, 左側は診断困難な場合がある. 心電図上は虚血性変化の出現することがある. 本疾患の予防および治療としては, 心膜欠損部を人工硬膜によつて補填することが有効である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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