アブストラクト(24巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 切迫心臓破裂の治験例
Subtitle : 症例
Authors : 半谷静雄, 丁栄市, 後藤一雄
Authors(kana) :
Organization : 西新井病院, 西新井循環器センター
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 24
Number : 9
Page : 1238-1244
Year/Month : 1976 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒言」近年CCUの開設に伴い, 急性心筋硬塞後, 不整脈による死亡例は激減し1), 死因の第1位を占める心原性Shockに対しても種々の補助循環法の開発が進められつつある. しかし心原性Shockにつぐ死亡原因をなす心臓破裂に対しては, まだ適切な治療法はなく, ただ早期診断, 早期外科治療のみが唯一の救命手段となつている. 従つて心臓破裂症例では早期診断が救命上, 急務となるが, 現在迄外科治療で救命に成功した報告例は7例(表1) 2)3)4)5)30)31)32)を数えるにすぎない. 最近筆者は63歳の男子症例で急性心筋硬塞発症後4日目に硬塞部位拡大阻止を目的として緊急手術を行つたところ, 術中左室前壁に亀裂を認め, まさに心臓破裂直前と思われる症例を経験した. 筆者の調べた範囲ではかかる切迫心臓破裂症例に対する手術救命例の報告はなく, 今後の心臓破裂治療上の参考として, 文献的考察を加え, 報告する. 症例. 63歳, 男子. 3年前より狭心症の既往があり, 外来通院をしていたが, 昭和49年10月19日午前8時頃急に呼吸困難および狭心痛を訴え, 同午前11時頃当院CCUに緊急入院となつた. 入院時血圧は220/110mmHgと高く, レセルピン等の降圧剤にも反応せず, また麻薬でも容易に軽減しない高度の胸痛を認めた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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