アブストラクト(24巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ペースメーカー植込み後のCRP値, 白血球数, 赤沈の変動
Subtitle :
Authors : 横山正義, 堀原一*, 今野草二
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所, *筑波大学・臨床医学系
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 24
Number : 11
Page : 1469-1472
Year/Month : 1976 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心臓ペースメーカーを植込んだり, 交換した後, 患者血液中のCRP値が著明に上昇する. また感染の有無と関係なく, 白血球数が上昇し, 赤血球沈降速度(以下, 赤沈と略す)も上昇する. 25例の患者にペースメーカー植込み後, これらCRP値, 白血球数, 赤沈値を経時的に測定した. 手術前のCRP値はマイナスであるが, 手術後第1病日のCRP値は25例平均で1.9+, 第2病日は3.4+, 第3病日は3.1+, 第5病日は1.7+, 第7病日は0.8+であった. すなわち, 第2病日にCRPは最高値を呈し, 手術後1週間で1+となり, 2週間以内に陰性となった. ペースメーカー周囲の浸出液などがCRP陽性化と関係するらしい, ペースメーカー交換回数とCRP陽性化とは関係がない. 白血球数に関しては手術前の値を100とし, 手術後の値と比較してみると, 手術後第1病日は155±30(±30は標準偏差), 第2病日は146±24, 第3病日は122±22, 第5病日は104±17, 第7病日は96±9であった. 白血球数の変動は手術のいわゆるストレスに対する生体反応と考えられ, 手術後直後に著明に上昇し, その後, 早急に正常化する. 赤沈(Westergren法の1時間値)をみると, 手術前は11±6mm(±6mm標準偏差), 第1病日16±10mm, 第2病日28±12mm, 第3病日32±17mm, 第5病日36±19mm, 第7病日33±18mmであった. すなわち, 手術後5日目頃, 最高値に達し, 以後ゆっくりと減少し, 正常化するには手術後3週間を要した. ペースメーカー植込み術は簡単な手術であるが, 白血球数の著増が手術後3日間認められ, CRP値の陽性化が約2週間続き, 赤沈の亢進は手術後3週間続くことが判明した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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