アブストラクト(25巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸部大動脈瘤の手術適応
Subtitle : 総説
Authors : 井上正, 田中勧
Authors(kana) :
Organization : 慶応大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 25
Number : 1
Page : 1-8
Year/Month : 1977 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 古く1910年, Tuffierはすでに胸部大動脈瘤の切除治療を示唆しているが, 1944年, Alexander&Byronが始めて嚢状動脈瘤の切除を行つてから約10年を経て, 1953年Bahnson1)が始めて上行大動脈瘤の切除手術に成功し, 同年DeBakeyら2)が下行大動脈瘤の切除, 同種大動脈の移植に成功した. 以来, DeBakey, CooleyらのHouston一派を中心として展開された胸部大動脈瘤の外科治療は, その後約20年を経過した現在, 広く臨床に応用されるに至つている. わが国におけるこの領域の手術成績は, 1965年の和田寿郎教授の集計では161例中, 手術死亡率56.5%であつたが, 1973年の砂田輝武教授の集計では618例中, 43%であつて, 8年間に約15%の成績の向上が見られており, 最近の成績ではなお一層の向上が認められているようである. その手術成績は, 年齢, 高血圧, 他臓器の動脈硬化性病変などの全身的要因, あるいは解離, 破裂, 大動脈弁閉鎖不全の合併など動脈瘤の性状などにも大きく左右されるが, 動脈瘤の部位とその進展度による手術手技あるいは補助手段法の選択など, 直接手術に関連する因子に影響されるところが極めて大きい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
このページの一番上へ