アブストラクト(25巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 灌流冷却超低体温時の全身血流分布
Subtitle :
Authors : 川上俊爾*, 笠井敏雄*, 古元嘉昭*, 杉本誠起**, 妹尾嘉昌**, 寺本滋**, 小杉功***, 山口佳晴***, 川島康男***
Authors(kana) :
Organization : *岡山大学温泉研究所, **岡山大学第2外科, ***帝京大学麻酔科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 25
Number : 3
Page : 278-286
Year/Month : 1977 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術の補助手段として低体温法は多大な成果をあげており, 低温時の循環生理は多方面から実験的あるいは臨床的研究されているが, 温度の下降により生体諸臓器の血流配分がどのような影響をうけるか検討したものはその方法が困難な点より少ない. われわれはRadio active microsphereを用い, 雑種成犬を用いて, 実験的に30%稀釈体外循環法による潅流冷却過程の全身諸臓器への送血量の配分を脳温36°, 30°, 20℃の3時点で測定した. (1)冷却により, 血流分布率の増加した臓器は, 心, 脾, 筋肉であった. その他の臓器は温度の下降により減少した. とくに脳, 腎, 副腎, 胃腸管では有意に減少した. (2)膵への血流分布率は35℃での血流分布率に比較し, 30℃で減少20℃で増加の2相性を呈した. (3)臓器100gあたりの血流量では, 35℃で2.0L/min/M2の送血量で, 30℃ではほぼ同じ, 20℃では1.29L/min/M2と減少させたが, 20℃では心脾, 筋血流量は35℃の血流量より増加していた. 脳, 腎肝副腎, 胃腸管などの温度下降により血流分布率の減少した臓器はより血流量は減少した. しかし, 各臓器への血流維持の点では, 脳温20℃の超低体温領域では潅流冷却法がより有利であると推定した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords :
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