アブストラクト(25巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 75Se-セレノメチオニンシンチスキャンニング法による縦隔疾患の診断に関する研究
Subtitle :
Authors : 姜臣國, 曲直部壽夫
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学第1外科学教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 25
Number : 10
Page : 1255-1269
Year/Month : 1977 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 縦隔に腫瘤性陰影を呈する疾患は炎症性疾患, 腫瘍, 血管疾患など, 性格を異にする多種のものが存在する. そこで著者はnon-invasiveな診断手段として, 腫瘤描画を目的とした75Se-セレノメチオニンによるRadioisotope診断法をとりあげ, 縦隔疾患に対する診断能力を検討した. 縦隔疾患および要鑑別症例59例および正常人対照5例, 計64例を対象とし, 75Se-セレノメチオニン2~3μCi/kgを肘静脈に注入したのち, 原則として注入1時間後にスキャンを施行した. なお9例についてはスキャン像の経時的変化を観察し, 8例については摘出標本のスキャンを施行した. さらに6症例については全血と血清, 血球のカウント数の経時的変化を観察した. 結果として, 75Se-セレノメチオニンによる縦隔シンチスキャンニング施行時期は, 投与後1時間が適当であり, 下部縦隔に異常のあるものは, 24時間後が適当である. 本法によって陽性を呈した疾患は, 胸腺腫, 実質性奇形腫, 悪性リンパ腫, Castleman's tumor, 上皮性腫瘍, サルコイドーシス, リンパ節結核, 肥大胸腺であり, 良性神経性腫瘍, 嚢腫性腫瘍, 血管性疾患は全例陰性であった. したがって, 本法により陽性像を認めるものは, その鑑別疾患中, 陰性疾患を除外することができ, この方向で縦隔疾患の診断に有用である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Radioisotope, 75Se-セレノメチオニン, 縦隔疾患
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