アブストラクト(26巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 転移性肺腫瘍に対する外科的療法
Subtitle : 総説
Authors : 岡田慶夫, 中島眞樹
Authors(kana) :
Organization : 滋賀医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 26
Number : 1
Page : 1-12
Year/Month : 1978 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「I. はじめに」肺の血管系には, 機能血管としての肺動, 静脈系と, 栄養血管としての気管支動, 静脈系とが存在しており, 全身を潅流した静脈血は, 右心室から肺動脈を経て肺胞壁毛細血管に至り, ここでガス交換が行われる. すなわち肺胞壁毛細血管網は, 全身の血液の濾過装置であって, このために肺には肺野原発巣からの血行性転移が, 高頻度に招来される. さらに, 大循環系に属する気管支動脈を介しての肺転移の可能性も無視することはできない. このように, 肺以外の臓器に原発した悪性腫瘍からの肺転移巣は, 転移性肺腫瘍metastatic lung tumorsとよばれている. かつては転移性肺腫瘍は, すでに治療の範囲を越えたものとして放置されていた. しかしながら, 悪性腫瘍の治療法の進歩により, 近年ではこれに対して積極的に治療が試みられるようになり, 外科的療法も頻繁に行われるようになってきた. 文献的には, 1883年にKronleinが胸壁, 肺に浸潤した転移性肉腫を切除した記録1)がある. しかしながら, 転移性肺腫瘍に対する外科的療法の本格的な報告は, 1927年のDivis 2)のものが最初であろう.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 転移性肺腫瘍の外科的療法, 転移性肺腫瘍, 肺転移(大静脈型), 肺転移(門脈型), 肺転移(肝静脈型)
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