アブストラクト(26巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心房中隔欠損を伴う下大静脈左房開口症の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 小鍛冶明照*, 鈴木康之*, 李好七*, 岡田宏**, 千葉胤貞**, 小野木宏***
Authors(kana) :
Organization : *いわき市立総合磐城共立病院心臓血管外科, **いわき市立総合磐城共立病院麻酔科, ***いわき市立総合磐城共立病院小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 26
Number : 1
Page : 116-120
Year/Month : 1978 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 「緒言」先天性心疾患に合併する大静脈系の異常は, 左側上大静脈遺残3% 1), 下大静脈異常0.6% 2)といわれ, それほど稀なものではないが, 下大静脈(以下IVC)が左房に開口する奇形は極めて稀で, 本邦では, 榊原ら3)の報告のみである. 著者らは, 最近, 心房中隔欠損(以下ASD)を伴ったIVC左房開口症の1例を手術, 治癒せしめたので, 若干の文献的考察を加えて報告する. なお, 本例はIVC左房開口症の本邦における最初の治験例と思われる. 「I. 症例」症例:本○明○, 10歳, 女児 主訴:心雑音の精査 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし 現病歴:早産(9ヵ月)だったほかは, 妊娠および分娩中に異常はなかった. 出生後は, 年に2~3回感冒に罹患する以外は無症状だった. 約1年前, 某医に心疾患を指摘され, 当院小児科を受診し, 心臓カテーテル検査でASDと診断され, 根治手術のため1976年11月当科へ転科した. 入院時所見:身長126cm, 体重23.5kgで, 体格, 栄養とも良好であった. 脈拍88/分で整, 血圧100/70mmHgで, チアノーゼ, 太鼓バチ指, 肝肥大および浮腫等はなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心房中隔欠損を伴う下大静脈左房開口症, 冠静脈洞, エーテル深麻酔単純低温法, 自家動脈血大動脈起始部pumping法, 下大静脈第1斜位造影(60度)
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