アブストラクト(26巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 慢性糸球体腎炎の患者に対する大動脈弁置換術の経験 -2症例報告-
Subtitle : 症例
Authors : 乙供通稔*, 岡田嘉之*, 毛利平**, 佐治公明**
Authors(kana) :
Organization : *山形県立中央病院心臓外科, **東北大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 26
Number : 7
Page : 894-900
Year/Month : 1978 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ネフローゼ加味慢性糸球体腎炎に4/4度の大動脈弁閉鎖不全症を合併している患者と, 慢性糸球腎炎に細菌性心内膜炎後4/4度の大動脈弁閉鎖不全症を来した2症例に対し, Bjork-Shiley大動脈弁置換術を施行した. 後者は1時急性心内膜炎を合併したが, 強力な抗生剤療法で回復した. 2症例共に, BUN, クレアチニンクリアランス, 血清蛋白量, 尿中蛋白排泄量が, 術前に比し著明に改善した. また, 術前後を通じて, 血液透析を行わずにすんだ. 重症度はそれぞれNYHA IV度とIII度だったが, いずれもI度に回復した. 大動脈弁閉鎖不全症が人工弁移植により血行動態的に改善された場合, 腎にどのような影響を及ぼして腎機能の改善をもたらしたかは, 文献的にも不明であるが, 心拍出量の増加, 大動脈平均圧上昇, 脈圧の減少などが関係しているものと思われた. 「はじめに」慢性糸球体腎炎の患者で, 高度の大動脈弁閉鎖不全症を伴っている症例に対し, 体外循環下人工弁置換術を行い, 術後, 全身状態の著明な回復とともに, 腎機能の改善をきたした2症例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ネフローゼ加味慢性糸球体腎炎, 大動脈弁置換術, 心筋保護, 術後腎不全, 血液透析
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