アブストラクト(26巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高令者(69才)大動脈弁閉鎖不全症兼弓部大動脈瘤に対する一期的手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 安藤武士, 汐崎公太, 加藤俊幸*, 堀川紘三*, 山崎芳彦**, 横沢忠夫**, 江口昭治**, 高畑与四夫***
Authors(kana) :
Organization : 県立ガンセンター新潟病院胸部外科, *県立ガンセンター新潟病院内科, **新潟大学第2外科, ***新潟大学麻酔科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 26
Number : 9
Page : 1105-1112
Year/Month : 1978 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 高齢者大動脈弁閉鎖不全症兼弓部大動脈瘤(梅毒性)に対し一期手術を行い救命しえた. 始めに中等度低体温併用稀釈体外循環法で心筋局所冷却により大動脈弁置換を, 引き続き一時的バイパス法を補助手段とし, 弓部のう状大動脈瘤に対する手術を行った. バイパスグラフトは上行-下行大動脈間, 上行大動脈-腕頭および左総頚動脈間におのおの別個に縫着した. 脳, 腎障害の発生はなく, 術後の血行動態も安定していた. 呼吸, 栄養管理に注意を払い種々の合併症を防いだ. 本症例では, 手術を二期に分けるべきかどうか,手術の進め方, 補助手段の選択, 高齢などの問題を含んでいたが救命しえた. 高齢者であっても, 平均余命の延長した今日積極的に外科治療に取り組む必要があることを示唆する症例であった. 胸部大動脈瘤に対する手術成績は補助手段の確立, 代用血管の開発などにより, 今日積極的に行われるようになってきているが, そのなかにあって弓部大動脈瘤の外科治療は, 脳血流遮断に対する補助手段が必要となり, また複雑な手技を必要とし困難な手術となることが多い1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 高令者, 弓部大動脈瘤, 大動脈弁閉鎖不全, 一時的バイパス法, 心筋局所冷却法
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