アブストラクト(26巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心室中隔欠損と高度肺高血圧を伴った先天性僧帽弁狭窄症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 志田寛, 井之川孝一, 森本雅巳, 津金次郎, 池田裕, 杠英樹
Authors(kana) :
Organization : 信州大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 26
Number : 9
Page : 1123-1129
Year/Month : 1978 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 最近, われわれは6歳の女児の先天性僧帽弁狭窄症の1例を経験した. 僧帽弁狭窄は軽度の交連部の癒合と, 左心房には僧帽弁の直上に輪状のsupravalvular stenosing ring(狭窄輪)を伴ったもので, さらに心内合併奇型として, 心室中隔欠損があり, しかもequivalentの高度の肺高血圧を伴っていた. 表面冷却・体外循環併用下に開心術を施行したが, 僧帽弁は全体に薄く, 交連部が軽度に癒合した狭窄で, 後交連部に一致して交連切開を行った. またsupravalvular stenosing ringに対しては切除せず, 僧帽弁の交連部に一致した方向に切開し開大した. 心室中隔欠損は1.5~1.5cmのKirklin II型のもので, パッチにて閉鎖した. 術後経過は良好で, 現在元気に就学している. 先天性僧帽弁狭窄症を中心に, 若干の文献的考察を加えて報告した. 「はじめに」先天性僧帽弁狭狭窄症は, 従来まれな疾患とされており, また, 本症の単独例は少なく, 他の心血管系の奇型を合併していることが多い. しかもその合併奇形は極めて多彩であり, 予後も不良で乳児期に死亡するものが多いと報告されている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性僧帽弁狭窄症, supravalvular stenosing ring(狭窄輪), 心室中隔欠損症, 肺高血圧症
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