アブストラクト(26巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心筋硬塞に合併した仮性心室瘤の外科治療手術治験例を中心とした38例の臨床的検討
Subtitle : 症例
Authors : 中江世明, 遠藤真弘, 林久恵, 和田寿郎, 堀江俊伸*, 関口守衛*, 広沢弘七郎*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所外科, *東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 26
Number : 9
Page : 1130-1140
Year/Month : 1978 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心筋硬塞の稀な合併症である仮性心室瘤に対し切除手術を行い良好な結果を得た. 患者は62歳男子で硬塞発症後, 心停止, cardiogenic shockに陥った. 蘇生後も心タンポナーデを示唆する所見が持続し心拡大を認めた. 臨床経過と左室造影所見より硬塞後仮性心室瘤の内腔閉塞と診断し, 真性心室瘤と仮性心室瘤の合併切除を行った. 本症を詳細に報告するとともに, 本症の診断, 特に臨床経過上の特徴・造影所見と分類, および内科治療群とのの比較検討, 外科治療上の問題点について臨床例38例を検討し考案を加えた. 「はじめに」貫壁性心筋硬塞の致死的な合併症の1つに心破裂による突然死がある. しかし, 頻死の心破裂が極めて稀に心膜などのゆ着により拡大が阻止され突然死をまぬがれることがある. これが急性期を過ぎるとゆ着心膜と血腫は左室圧により膨隆し, 左室と連絡する仮性心室瘤を形成する. 仮性心室瘤は再破裂を生ずる可能性を含み1), 極めて予後不良で, とくに3ヵ月以内の再破裂による死亡は高頻度である. 著者らは, 仮性心室瘤が大量の血栓でうずめられた症例に対し, 術前診断を行い手術により良好な結果を得た.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 1)心筋硬塞, 2)心破裂, 3)仮性心室瘤, 4)左室造影
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