Authors : |
門田康正, 正岡昭, 前田昌純, 中原数也, 大嶋仙哉, 広瀬一, 松山正経, 谷靖彦, 清家洋二, 中田精三, 中岡和哉, 谷岡恒雄, 籠谷勝己, 西川栄郎 |
Abstract : |
胸腺摘出術を施行した重症筋無力症患者142例について術前の非特異的な免疫状態を検討した. すなわち末梢血リンパ球数, 末梢血T-cell population, リンパ球の幼若化, PPD-Test, DNCB-Test, 血清免疫グロブリンを検討し, これらのParameterと胸腺腫合併の有無, 予後および病型との関連性について検討し, 以下の結果を得た. 1)末梢血リンパ球数には異常を認めなかった. 2)T-cell populationは胸腺腫合併の有無に拘らず, 広範囲のばらつきを示し, III型では低値をとる傾向がみられた. 3)リンパ球幼若化率は35%の症例が異常高値を示し, 特に胸腺腫非合併例に高値例が多数認められた. 4)DNCB-Testでは陰性例が多く見られたが, PPD-Testは正常人と差が認められなかった. PPD-Test陰性例中に予後不良例の多い傾向が認められた. 5)血清免疫グロブリンではIg-G, Ig-Mの増加している症例がみられた. 6)胸腺腫摘出術々後の予後とよく相関するParameterは論い出せなかった. |