アブストラクト(26巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 第1編 Prostaglandin E1, E2, A1, A2の未梢循環系および肺循環系の血行動態に及ぼす影響
Subtitle : 原著
Authors : 数井暉久, 草島勝之, 堀江信治, 村上嶽四郎, 小松作蔵
Authors(kana) :
Organization : 札幌医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 26
Number : 11
Page : 1375-1382
Year/Month : 1978 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Prostaglandin E1(PGE1), E2(PGE2), A1(PGA1)およびA2(PGA2)の麻酔イヌにおける末梢循環系および肺循環系の血行動態におよぼす影響について実験的検索を行った. 実験方法は雑種成犬の肺動脈内に直接PGE1, PGE2, PGA1およびPGA2のおのおの1μg/kgを1回注入, あるいは1μg/kg/min 20分間持続注入し, 体血圧, 肺動脈圧, 肺動脈楔入部圧, 肺静脈楔入部圧, 左房圧, 小肺静脈圧, 中心静脈圧, 心拍数および心拍出量を測定し, また末梢血管抵抗および肺血管抵抗を算出した. PGE1, PGE2, PGA1およびPGA2のおのおの1μg/kg 1回注入では, 体血圧, 左房圧は一過性に低下し, 一方肺動脈圧, 肺静脈楔入部圧は上昇した. 小肺静脈圧はPGE1およびPGE2では有意の変動を示さないが, PGA1およびPGA2では滅少した. なお中心静脈圧は不変であり, 心拍数および心拍出量はやや増加したが, 有意差はなかった. PGE1, PGE2, PGA1およびPGA2のおのおの1μg/kg/min 20分間持続注入では, 体血圧, 肺動脈圧, 肺静脈楔入部圧, 肺動脈楔入部圧, 左房圧は著明に減少した. しかしながら中心静脈圧は不変であった. 心拍出量はPGE1およびPGE2ではやや減少するが, 有意差はなく, 一方PGA1およびPGA2, では著明に低下した, 心拍数はPGE1, PGE2, PGA1およびPGA2でやや増加したが, 有意差はなかった. PGE1, PGE2, PGA1およびPGA2の肺動脈内投与では, 体血圧, 末梢血管抵抗は著明に低下し, PGE系およびPGA系では末梢血管拡張作用を有することが確認された. なおまたPGE1およびPGE2では肺血管抵抗は著変を示さなかったが, PGA1およびPGA2では肺血管抵抗は有意に増加した. これは末梢血管拡張のため血流の末梢循環への移動による肺血管床の受動的収縮に起因すると推測された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Prostaglandin E1(PGE1), PGE2, PGA1, PGA2, 血行動態
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