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Fallot四徴症では大なり小なり気管支動脈による副血行路が増生する. 開心術の場合, 気管支動脈血流量は体外循環有効血流量から脱落するものであり, 手術視野をも障害する. さらに術後は左-右短絡を残し, 術後心不全の原因ともなりうる. 気管支動脈副血行路増生の著しい2症例に対して開胸によりあらかじめ気管支動脈を結紮し, つづいて開心術を行い, 所期の目的を達したので, このような症例には積極的に副血行路の前処置を行うべきことを述べた. 「緒言」肺血流量減少を呈するFallot四徴症(TOF)では程度の差こそあれ, 気管支動脈を介する副血行路が発達し, 根治手術において上行大動脈遮断, 左室ベント使用によっても充分な視野がえられない程, 気管支動脈血還流が多いことがある. 実際には体温を下げ, 人工心肺送血量を減少させることによって多くは対処できるが, 気管支動脈血流量は有効潅流から脱蕗するものであること, 微細な心内手術操作を困難あるいは不可能にさせうること, さらには術後, 左-右短絡による心不全の原因となりうることなどから術前その程度を知り, 必要に応じて開心術前にその処置を行うことは重要である. |
