Title : |
右上肺静脈と左全肺静脈が垂直静脈に入っていた部分肺静脈還流異常の1治験例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
堀越茂樹, 金子俊昌, 久米弘洋, 松井道彦, 丸山浩一, 鈴木茂, 小机敏昭, 松井正治, 杉田洋一, 新井達太 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東京慈恵会医科大学心臓外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
26 |
Number : |
11 |
Page : |
1464-1472 |
Year/Month : |
1978 / 11 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
部分肺静脈還流異常(PAPVC)は比較的多い疾患であり, ことに一側肺に由来するPAPVCの報告は多く, 最近では症例があっても報告されない程である. しかし, 両側肺からのPAPVCは比較的稀で, 本邦の報告はわずかに11例を数えるに過ぎない. これらの症例のうち10例は右側の肺静脈が上大静脈または右房に, 左側の肺静脈は左無名静脈, 右房または冠静脈洞にそれぞれ別々に還流しており, 1例は左右の肺静脈が合流した後, 冠静脈洞へ還流する型のものである. 本報告例は右上肺静脈が躯幹の正中線を越えて左へ水平に走り, 左全肺静脈とともに垂直静脈を介して左無名静脈に還流していた本邦に報告のない珍らしい症例であるので, 両側PAPVCに関する文献的考察を加えて報告する. 患者は15歳の男子. 聴診上胸骨左縁第2肋間にLevine III度の駆出性収縮期雑音とII音の固定性分裂を認め, 胸部X線上肺血管陰影の増強と「8字型」の中央陰影を認めた. 右心カテーテルおよび肺動脈造影所見より心房中隔欠損および右上肺静脈が左房の頭側を左に水平に走り, 左上・下の肺静脈と合流した後, 垂直静脈を介して左無名静脈に異常還流しているPAPVCと診断された. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
部分肺静脈還流異常, 心房中隔欠損症, 8字型陰影, 垂直静脈. 水平肺静脈 |