アブストラクト(27巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術における神経-下垂体, 副腎および膵内分泌の関連
Subtitle : 総説
Authors : 吉竹毅
Authors(kana) :
Organization : 東京大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 1
Page : 1-13
Year/Month : 1979 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術における代謝の変化は一般外科手術におけると同様な侵襲による変化をきたすが, 体外循環および低体温法という特殊な侵襲形態が加わるため, 代謝の変化もそれらによって修飾される. 侵襲に対する反応は一次的に神経, ホルモンにより伝達され, 代謝の変化により対応する. なかでも, 神経-下垂体, 副腎, 膵内分泌系が大きな役割を果す. 侵襲によるエネルギー消費形態の変化に備え, 代謝が変化するようホルモン分泌, 活性の変化が起こる. すなわち, 異化の亢進である. しかし, 全体の変動からみて, エネルギー消費形態は極めて節減型である. と同時に, 異化期にすでに来るべき修復への同化的要素を有するホルモン分泌の亢進も認められる. このような外科侵襲と共に, 体外循環は血行維持のため必須な手段であるが, 代謝面でみれば撹乱以外何ものでもない. その外因的要素は生体の対応に対し, 極めて粗雑であり, かつ, 侵襲加重因子以外何ものでもない. 開心術に必須な手段である限り, 血行および代謝に対する体外循環法の改善はなお必要と考えられる. これらの点について, 上記内分泌系の開心術に際しての, ホルモン分泌の変化, それらホルモンおよび代謝の相互作用などの関係を測定結果および内外の報告を参考にして述べた. 開心術後の変化についてはとくに問題となる開心術後低心拍出量症候群における代謝の変化も合せ言及した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 開心術, ホルモン, 代謝, 開心術後低心拍出量症候群
このページの一番上へ