Title : |
急性心筋梗塞に対する緊急冠動脈血行再建術の評価-心電図所見の分析からみた心筋梗塞壊死病巣の縮小効果について- |
Subtitle : |
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Authors : |
田中信行, 杉木健司, 山岸真理, 大野猛三, 兼古悟, 稲尾雅代, 高田憲一, 庭瀬公武, 浅井康文, 堀江信治, 藤堂景茂, 安達博昭, 数井暉久, 草島勝之, 北野一郎, 湯川元資, 安倍十三夫, 安喰弘, 金子正光, 小松作蔵, 和田寿郎* |
Authors(kana) : |
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Organization : |
札幌医科大学胸部外科教室, *東京女子医大心研外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
27 |
Number : |
1 |
Page : |
90-96 |
Year/Month : |
1979 / 1 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
昭和53年5月11日現在当科において急性心筋梗塞進行期の16例に対し緊急冠動脈血行再建術を行い, 13例の長期生存をえた. 緊急冠動脈血行再建術の目的は心筋梗塞壊死病巣の進展を防止することにある. 今日までにみる欧米の文献においても病院外発症急性心筋梗塞に対する外科治療が梗塞範囲を縮小させえるという証明はなされていない. 今回当科で行った急性心筋梗塞に対する緊急冠動脈血行再建術の長期生存12例(前壁梗塞群6例, 後壁または下壁梗塞群6例)と同期間中に取扱った内科的治療16例(発作8時間以内, 前壁梗塞群9例, 後壁または下壁梗塞群7例)につき入院直後, 1週後の心電図(標準12誘導)におけるST上昇とQRS群の変化につき分析した. 心電図の分析法はAskenazi,J.and Braunwald,E.らの方法(Brit.Heart J.39:764, 1977)に従った. この結果急性前壁梗塞群における%↓ΣR, %△score≧1, %△score≧2については外科治療群の平均値がそれぞれ45.9±9.7%(SE), 88.3±13.6%, 50.0±12.1%を示した. 一方内科治療群の平均値はそれぞれ74.4±6.9%, 100±0.0%, 81.5±5.1%とより高値を示した(p<0.02). また後壁下壁梗塞群における%↓ΣR, %△score≧1, %△score≧2の平均については外科治療群ではそれぞれ55.7±8.8%, 90.0±6.9%, 53.3±19.1%と低値を示したのに反し内科治療群の平均値はそれぞれ65.9±8.1%, 100.0±%, 72.9±11.7%とより高値を示した. 以上の心電図分析法の結果より急性心筋梗塞に対する外科治療群の梗塞壊死縮小効果は内科治療群より優り, とくに急性前壁梗塞群において顕著にその効果がえられるとの結論に達した. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
急性心筋梗塞(AMI), 緊急冠動脈血行再建術(EMR), 梗塞壊死の縮小, R波電位, QRSスコア, Emergency Myocardial Revascularization |