アブストラクト(27巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Barrett食道の切除例に関する検討
Subtitle : 症例
Authors : 内田雄三, 中尾丞, 川原克信, 内山貴堯, 綾部公懿, 萩原盛男, 中村譲, 調亟治, 辻泰邦, 富田正雄*, 浜崎章**
Authors(kana) :
Organization : 長崎大学医学部第1外科, *宮崎医科大学第2外科, **浜崎外科医院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 27
Number : 1
Page : 116-122
Year/Month : 1979 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Barrett食道の発生に関しては先天説と後天説があるが, 切除例の病理所見, 内視鏡的長期観察の成績などから, 本疾患は食道炎の治癒過程に生じた円柱上皮に因ると考えられる. 本稿では, 80歳男子の食道裂孔ヘルニアと潰瘍形成を伴うBarrett食道の1切除例の検索成績を報告した. 症例は, 嚥下障害と高度の胸骨後部の灼熱感があり, 食道潰瘍辺縁部の生検で異型上皮が認められたために, 非開胸的食道抜去術を施行した, 切除標本では, 食道・胃接合部から約7cm口側までが全周性にBarrett上皮でおおわれ, そこにはgoblet cellがみられた. その円柱上皮帯の食道・胃接合部寄りに約2×2cm大のUl-IVの潰瘍がみられた. 組織学的に悪性像はなかった. 文献的に検索しえた本邦報告例18例および外国の報告例を本症例と比較検討した. Barrett食道の円柱上皮帯に潰瘍形成を伴わないものもあるが, 潰瘍を形成する症例は, 円柱上皮帯における潰瘍の位置から3型に大別される. 潰瘍が下位にある型の症例では, 円柱上皮・扁平上皮移行部にレ線上狭窄を認めない症例もある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Barrett食道, 潰瘍, 腸上皮化生, 食道裂孔ヘルニア, 切除
このページの一番上へ